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PERSON
夏目漱石
夏目漱石
吾輩は猫である・こころ
1867-1916 · 享年 49歳
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生涯
江戸(東京)牛込区馬場下横町に生まれる。本名・夏目金之助。生後すぐ養子に出され複雑な幼少期を過ごした。東京帝国大学英文科を卒業後、松山中学・第五高等学校で英語を教えた。1900年に英国へ官費留学するも神経衰弱に苦しみ2年で帰国した。帰国後、「吾輩は猫である」(1905年)を発表して文壇デビューを果たし大好評を博した。1907年に朝日新聞社の専属作家となり、「三四郎」「それから」「門」「彼岸過迄」「行人」「こころ」など多数の傑作を著した。後期作品では「則天去私(天に則り私を去る)」という自己超克の境地を目指した。自然主義に対抗する余裕派として独自の文学世界を切り拓き、近代日本文学の最高峰に位置づけられる。1916年、胃潰瘍による大量出血で49歳で急逝した。千円札の肖像としても長く親しまれ、その作品は今日も世界中で翻訳・読まれ続けている。「I love you」を「月が綺麗ですね」と訳したという逸話も有名である。
人物像
鋭い知性とユーモア、そして深い孤独を抱えた文豪。英国留学での苦悩が作品に影を落とす。門下生(木曜会)を大切にし、芥川龍之介ら多くの文学者を育てた。
歴史的意義
旧千円札の肖像(1984-2004年)として国民に親しまれた。「こころ」は高校教科書の定番。「月が綺麗ですね」がI love youの訳という逸話(俗説)でも有名。近代日本文学最大の文豪。
逸話・エピソード
「吾輩は猫である」と「修善寺の大患」——漱石の神経症と文学
夏目漱石は1905年に「吾輩は猫である」で文壇デビューし、社会批評と人間観察で人気を博した。1910年の修善寺温泉での胃潰瘍悪化(「修善寺の大患」)では一時危篤となり、この体験が「こころ」「道草」など後期の深刻な人間探求の作品につながった。1916年に49歳で没したが、その肖像は1984年から2004年まで千円札に採用された。
関連する歴史的事件
1905
吾輩は猫である発表
明治38年(1905年)1月、夏目漱石(1867-1916)が俳句雑誌『ホトトギス』に発表した長編小説のデビュー作。当初は一回読み切りの予定だったが好評のため1906年8月まで連載され、全11章となった。英語教師・珍野苦沙弥の家に飼われる名無しの雄猫を語り手に、主人やその友人の迷亭・寒月らインテリ知識人の滑稽な日常を皮肉と諧謔に満ちた筆致で描く。東京帝国大学英文科講師として神経衰弱に悩んでいた漱石が、高浜虚子の勧めで執筆。写生文・落語・江戸戯作・英文学を融合させた独自の文体は文壇に衝撃を与え、漱石は『坊っちゃん』『草枕』と立て続けに発表、日本近代文学を代表する作家への道を歩み始めた。
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ゆかりの地 — 3
雑司ヶ谷霊園
東京都
夏目漱石は大正5年(1916年)12月9日、早稲田南町の漱石山房で胃潰瘍により49歳で没し、葬儀ののち雑司ヶ谷霊園に埋葬された。その墓は漱石自身が生前に『こゝろ』で先生が自殺する場面の舞台として描写した「広い雑司ヶ谷の墓地」として作品に登場しており、作家と作品を繋ぐ象徴的な場所となっている。毎年門下・読者による墓参が絶えず、近代日本文学を志す者にとっての巡礼地である。
錦華公園(夏目漱石碑)
東京都
夏目漱石(1867-1916)は慶応3年(1867年)江戸牛込馬場下(現・新宿区喜久井町)に生まれ、7歳で市ヶ谷小学校、続いて明治10年(1877年)頃に当地の錦華小学校へ転校、明治11年(1878年)11歳で卒業した。漱石が後年書いた代表作『吾輩は猫である』(明治38年・1905年刊)は、この錦華小学校で学んだ少年漱石の記憶の延長線上にある作品とも読める。卒業後は東京府一ツ橋中学校(現・日比谷高校の前身の一つ)・大学予備門(のち第一高等学校)を経て帝国大学英文科へ進み、後にロンドン留学・朝日新聞社入社・『坊っちゃん』『三四郎』『こころ』『道草』など日本近代文学の金字塔を次々と著した。神保町古書街の片隅に立つこの碑は、漱石の文学が育まれた原点をささやかに伝える貴重な文学史跡である。
漱石山房記念館
東京都
朝日新聞社入社を機に明治40年(1907年)に本郷から早稲田南町へ転居した漱石は、この地で「漱石山房」と称した書斎を構え、最晩年までの9年間ここで執筆を続けた。『三四郎』に始まり絶筆『明暗』に至る後期の代表作のほとんどがここで生まれ、毎木曜日には芥川龍之介ら門下が集う「木曜会」が開かれた。大正5年(1916年)12月9日、胃潰瘍のためこの書斎で49歳の生涯を閉じる。その書斎を今に伝えるのがこの記念館である。
─ 完 ─
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