江戸(東京)牛込区馬場下横町に生まれる。本名・夏目金之助。生後すぐ養子に出され複雑な幼少期を過ごした。東京帝国大学英文科を卒業後、松山中学・第五高等学校で英語を教えた。1900年に英国へ官費留学するも神経衰弱に苦しみ2年で帰国した。帰国後、「吾輩は猫である」(1905年)を発表して文壇デビューを果たし大好評を博した。1907年に朝日新聞社の専属作家となり、「三四郎」「それから」「門」「彼岸過迄」「行人」「こころ」など多数の傑作を著した。後期作品では「則天去私(天に則り私を去る)」という自己超克の境地を目指した。自然主義に対抗する余裕派として独自の文学世界を切り拓き、近代日本文学の最高峰に位置づけられる。1916年、胃潰瘍による大量出血で49歳で急逝した。千円札の肖像としても長く親しまれ、その作品は今日も世界中で翻訳・読まれ続けている。「I love you」を「月が綺麗ですね」と訳したという逸話も有名である。