北条実時は鎌倉幕府の有力御家人で、北条氏の一門である金沢流北条氏の祖。元仁元年(1224年)に北条実泰の子として生まれる。幼少より学問を好み、和漢の書籍を広く蒐集した。武蔵国六浦荘(現在の横浜市金沢区)に居館を構え、その蔵書を基に金沢文庫を創設した。金沢文庫は日本最古の武家文庫として知られ、和漢の典籍・仏典・歴史書など膨大な蔵書を誇った。実時は称名寺を菩提寺として建立し、寺と文庫を一体として運営した。文永の役(1274年)の際には幕府の要職にあり、国防にも貢献した。建治2年(1276年)に53歳で没。その蔵書と学問への情熱は子孫に受け継がれ、金沢文庫は鎌倉時代を通じて日本の知の拠点であり続けた。