江戸幕府第5代将軍(在職1680-1709年)。徳川家光の四男として生まれ、館林藩主を経て将軍となった。儒学・仏教への深い造詣を持ち、湯島聖堂の再建や和歌・能への庇護など文化振興に力を注いだ。一方、1685年から発令した「生類憐みの令」は犬・鳥・魚など生き物全般の殺傷を厳しく禁じ、特に犬への保護が徹底されたことから「犬将軍」の異名を得た。この法令は江戸庶民に甚大な不便を強い、違反者多数が処罰されたとして悪法の代表とされてきたが、近年は動物愛護や命の尊重という近代的視点から再評価する研究者も増えている。また、貨幣改鋳による財政政策では元禄文化の繁栄を後押ししたが、後に激しいインフレを招いた。1709年に62歳で死去。