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建築
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ARCHITECTURE
熱海・來宮神社の樹齢二千年の大楠と総鎮守の歴史完全ガイド
JR来宮駅から徒歩5分。熱海の総鎮守・來宮神社は樹齢2,000年超とされる国天然記念物の大楠で全国的に有名。和銅3年(710年)創建の古社で、禁酒の神・五色の小石・茶寮報鼓まで参拝の見どころと作法、夜間ライトアップ「来宮の杜のあかり」を完全解説。
目次
MOKUJI
来宮の大楠——日本屈指の巨樹への信仰
來宮神社の創建——和銅3年の漁網伝承
「禁酒の神」と独自の信仰文化
現代の來宮神社——夜間ライトアップと茶寮
参拝時のポイント
ゆかりのスポット一覧
よくある質問
結論から言うと、來宮神社(きのみやじんじゃ)は熱海市西山町に鎮座する熱海の総鎮守で、本殿裏に立つ樹齢二千年超とされる国指定天然記念物の大楠で全国的に有名な古社である。和銅三年(710年)に漁師の網に木像がかかった伝説に始まり、大己貴命・五十猛命・日本武尊を祀る。「大楠の周りを一周すると寿命が一年延びる」「禁酒の神」「五色の小石による禊ぎ」など独自の信仰文化を持ち、近年は夜間ライトアップ・茶寮報鼓により若い参拝者を集めている。本記事では創建伝承、大楠信仰、参拝の作法、ゆかりのスポットを順に解説する。
来宮の大楠——日本屈指の巨樹への信仰
樹齢二千年・幹回り24メートル
來宮神社の最大の魅力は、本殿裏に立つ巨大な楠(おおくす)だ。樹齢二千年を超えるとも、千五百年とも伝えられ、幹回りは二十四メートル。日本屈指の巨樹であり、国の天然記念物に指定されている。本殿前にも樹齢約一三〇〇年の「第二の大楠」が立ち、参道入口から樹々の気配が訪問者を圧倒する。
「一周で寿命が一年延びる」伝承
「大楠の周りを一周すると寿命が一年延びる」「願い事を心に秘めて一周すれば願いが叶う」という古来の言い伝えがいまも生きている。本殿裏に進むと、その圧倒的なスケールに誰もが息を呑む。早朝に巨樹を見上げる体験は、熱海観光の最深部に位置するハイライトである。
來宮神社の創建——和銅3年の漁網伝承
木像が網にかかった日
來宮神社の創建は、和銅三年(710年)と伝えられる。熱海の海辺で漁師の網に木像がかかり、それを祀ったのが始まりとされる。「キノミヤ」(木の宮)という名は、その木像に由来するとも、この地に「来た神」を祀る「来宮」とも解釈される。
三柱の祭神
主祭神は大己貴命(おおなむちのみこと、大国主命)、五十猛命(いたけるのみこと)、日本武尊(やまとたけるのみこと)。熱海の街の総鎮守として、地元の人々に篤く崇敬されてきた。伊豆山神社と並ぶ熱海二大古社の一つである。
「禁酒の神」と独自の信仰文化
五十猛命と「酒断ち」の誓い
來宮神社には、もう一つ独特の伝承がある。五十猛命が「酒断ち」の誓いをした神とされ、禁酒・断酒の祈願に訪れる人がいる。今でも「お酒をやめたい」「子供がお酒を控えるように」と願う人が、来宮の神に祈る。健康への願い、家族への思いに応える神として、來宮神社は機能し続けている。
五色の禊ぎ——青赤黄白黒の小石
境内には、参拝者が体に当てて穢れを祓う「五色の小石」が用意されている。青・赤・黄・白・黒の五色は陰陽五行に対応し、それぞれ違う意味を持つ。これを身体に当てて、心身を清めて参拝に向かう。参拝の作法を体験的に学べる工夫が、若い世代にも受けている。
現代の來宮神社——夜間ライトアップと茶寮
来宮の杜のあかり
近年、來宮神社は新しい魅力を打ち出してきた。夜になると大楠がライトアップされ、参道がキャンドルで彩られる。「来宮の杜のあかり」と呼ばれる夜間参拝の演出は、SNSで話題となり、若い参拝者を引きつけている。伝統的な信仰を保ちながら、現代の感性にも訴える絶妙のバランス感覚が、來宮神社をいまの熱海でもっとも活気ある神社の一つにしている。
茶寮「報鼓(ほうこ)」
境内には、神社が運営する茶寮「報鼓(ほうこ)」がある。大楠を眺めながら甘味を楽しめる、参拝後の楽しみとして人気だ。神聖な空間と、リラックスできるカフェ空間が同居する——これも近年の來宮神社の特徴である。参拝後にここで一服するのが、熱海観光の定番コースの一つになっている。
参拝時のポイント
アクセス: JR来宮駅から徒歩5分。熱海駅からは徒歩約20分かバスで5分
所要時間: 参拝のみなら30分、茶寮報鼓まで含めると1時間以上
必見: 第二の大楠(本殿前)、本殿裏の大楠、五色の小石、茶寮報鼓
おすすめの時間: 平日の午前中(土日は混雑)。夜間ライトアップは特別な日のみ、事前に公式サイトで確認
服装: 比較的フラットな境内。歩きやすい服装ならOK
ゆかりのスポット一覧
來宮神社(本社)
伊豆山神社(熱海二大古社のもう一つ)
走湯神社(熱海温泉の源泉)
関連人物: 源頼朝徳川家康
よくある質問
大楠を一周するのに何分かかりますか?
幹周りを一周するだけなら3〜5分。願い事を秘めて静かに一周することが推奨されているため、ゆっくりまわると10分ほど。本殿裏の最奥に位置するので、正面からの参拝後に必ず足を運ぶこと。
來宮神社のご利益は何ですか?
主祭神3柱から、商売繁盛(大己貴命=大国主命)、林業・木材業(五十猛命)、武運・健康(日本武尊)のご利益が伝わります。加えて五十猛命の「酒断ち」伝承から禁酒・断酒の祈願、大楠から長寿・心願成就の信仰が独自に育まれました。
茶寮報鼓は予約が必要ですか?
通常は予約不要で、参拝後そのまま入店できます。ただし土日祝・桜と紅葉の季節は満席になりやすいため、開店直後(10:00頃)か午後遅め(14:00以降)が狙い目です。大楠を望む席は人気のため、平日午前が最も空いています。
夜間ライトアップ「来宮の杜のあかり」はいつ?
通年ではなく、特定の祭礼や季節イベントに合わせて開催されます(例祭・大楠例大祭・年末年始など)。日程は來宮神社公式サイトで事前に確認を。
御朱印は何種類ありますか?
通常の御朱印に加え、大楠ゆかりの限定御朱印・季節限定御朱印が数種類授与されています。受付は社務所で9:00〜17:00。書置きと直書きを選べる日もあります。
最終更新: 2026年5月2日
來宮神社の大楠(ご神木)——樹齢2,000年超・幹周23.9mの国指定天然記念物
Wikimedia Commons / CC BY-SA 3.0 / photo by NY066
來宮神社の拝殿——大己貴命・五十猛命・日本武尊を祀る熱海の総鎮守
Wikimedia Commons / Public Domain / photo by Batholith
大楠の幹——周囲24メートル近い巨木の圧倒的な存在感
Wikimedia Commons / Public Domain / photo by Batholith
來宮神社の境内——古木に包まれた静謐な神域、JR来宮駅から徒歩5分
Wikimedia Commons / CC BY-SA 3.0 / photo by Aimaimyi
來宮神社の大楠全景——「一周すると寿命が一年延びる」と伝わる御神木
Wikimedia Commons / Public Domain / photo by Batholith
來宮神社の鳥居と参道——和銅3年(710年)創建、熱海の総鎮守へと続く参道
Wikimedia Commons / CC BY-SA 3.0 / photo by NY066
── 了 ──
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