八幡神社の本宮は応神天皇(誉田別命)を祀り、若宮八幡宮はその子・仁徳天皇を祀る。全国の「若宮八幡宮」はすべてこの親子関係に基づく。八幡神社が戦勝・武運のご利益で知られるのに対し、若宮は縁起・成長・縁結びを前面に出す社が多い。
毎年12月15〜18日に春日大社(奈良市)の若宮神社で行われる。17日の夕刻からの「お渡り式」と18日の「御旅所祭」が見どころで、雅楽・猿楽・田楽などの芸能奉納が続く。
一般的には本宮参拝後に若宮へ進む順序が推奨される。縁結び・子授けの祈願は若宮が専門的なご利益として知られるため、若宮での祈願が核心となる。
「若」は「新しい・若々しい・始まり」を意味し、物理的な年齢ではなく分霊された新しい御霊という宗教的な意味合いをもつ。本宮から切り離された「新生の御霊」というイメージが縁結び・新しい縁のご利益と結びついている。
若宮信仰は「新しい縁・命・始まりを祝う」日本信仰の優しい顔である。春日大社で若宮おん祭に参加し、千年の芸能の中に埋め込まれた縁起の祈りを感じてほしい。鶴岡八幡宮の若宮(下宮)では、源頼朝が新しい政権の縁起を祈った歴史の重みも体感できる。