愛宕山古墳は埼玉県行田市のさきたま古墳群内に位置する小型の円墳で、古墳群の中では最も小さい規模の墳墓である。6世紀中頃に築造されたと推定され、直径約20メートルの円墳形態をなしている。さきたま古墳群全体の中で愛宕山古墳は、より大型の古墳である稲荷山古墳や二子山古墳と並んで公園内に整備されており、大小様々な古墳が一堂に見られる貴重な空間となっている。「愛宕山」という名称は火防の神・愛宕権現が勧請されたことに由来するとされる。古墳群の中に宗教的な施設が置かれるのは全国各地に見られる現象であり、古代の聖地としての意識が後の時代にも受け継がれたことを示している。さきたま古墳公園は桜の名所としても有名で、春には多くの花見客が訪れる。古墳の上から眺める広大な関東平野の風景は、古代の豪族たちが望んだ景色と重なるものがあり、訪れる者に深い感慨を与える。