長久寺は大阪市中央区谷町に位置する日蓮宗の寺院である。「長久」の寺号は長く久しく続く寺の繁栄と仏法の永続を祈念した命名と解される。谷町筋はかつて「寺町」とも呼ばれるほど寺院が密集した大阪有数の宗教的地域であり、長久寺もこの歴史的背景のなかで地域に根ざした信仰の場として発展してきた。日蓮宗の各寺院は法要の際に法華経二十八品を読誦し、日々の唱題行を通じて信者の精神的基盤を支えた。江戸時代から近代にかけての大阪の都市変容のなかでも、長久寺は谷町の寺院群の一翼を担いながら、地域住民の菩提寺として冠婚葬祭・命日法要などを継続的に執り行ってきた。