大宝寺(だいほうじ)は鎌倉市大町の比企谷にほど近い静かな住宅街に佇む日蓮宗の寺院で、山号を多福山、寺号を一乗院大宝寺と号します。境内地は源頼朝の御家人・佐竹秀義以降、佐竹氏代々の鎌倉屋敷「佐竹屋敷」があった場所として知られ、境内には「佐竹屋敷跡」の石碑が立ちます。
創建には二説あり、一つは応永六年(1399年)、常陸国の有力守護大名・佐竹義盛が若くして出家し一族の霊を弔うために多福寺を建立したとする説。もう一つは文安元年(1444年)、身延山久遠寺第十一世の一乗院日出上人が鎌倉巡錫の折にこの地を得て日蓮宗に改め、現在の大宝寺としたとする説です。いずれにせよ、佐竹氏の守護神「多福明神」を境内に祀り続ける点で、源氏一門・新羅三郎源義光にまで遡る古い由緒を今に伝えています。
境内社の多福稲荷(大多福稲荷大明神)は、永保三年(1083年)の後三年の役で新羅三郎源義光が信仰する多福明神の加護によ…