横浜市青葉区藤が丘に鎮座する稲荷神社で、倉稲魂命を主祭神として祀る小社である。農業神としての稲荷信仰は、江戸時代の農村部において特に盛んであり、藤が丘周辺の農民たちもこの神社で毎年の豊作を祈願してきた。稲荷神は狐を神の使いとして持ち、五穀豊穣・商売繁盛・家内安全などの御利益があるとされる。境内には朱塗りの鳥居が連なり、狐の石像が左右に控える、稲荷神社らしい景観が整っている。初午の日(2月最初の午の日)には稲荷祭が行われ、近隣住民が油揚げなどの供物を持って参拝に訪れる。住宅地化が進む藤が丘において、この小さな稲荷神社は農村時代の信仰を伝える生きた歴史遺産として、地域の人々に大切にされている。氏子による定期的な清掃と管理が境内の清潔さを保ち、地域コミュニティの絆を深める場にもなっている。