横浜市青葉区田奈に鎮座する八雲神社で、素盞嗚尊を主祭神として祀る疫病除けの神社である。田奈地区の農村では、夏の疫病が農民の命と農業を脅かす深刻な問題であり、疫病神を鎮める「天王社」への信仰は農村文化の中核を担っていた。江戸時代の記録によれば、田奈村でも毎年夏に天王祭が開催され、茅の輪くぐりの神事とともに神輿渡御が行われたという。この神社はその天王社の伝統を受け継ぐ神社で、明治以降は八雲神社として素盞嗚尊を祀っている。戦後、田奈弾薬庫が返還されて公園や住宅地となった後も、神社は地域の信仰の場として維持されてきた。境内には茅の輪くぐりの設備が整えられており、毎年夏越しの大祓には多くの参拝者が半年分の穢れを祓うために訪れる。田奈の鎮守の森として、地域の生態的・文化的環境を保全する役割も担っている。周辺の緑地と一体となって、田奈地区の貴重な自然環境を守る緑の拠点となっている。