月照寺は1644年(正保元年)、松江藩初代藩主・松平直政が父・松平忠直の菩提を弔うため、現在地に草庵を結んだことに始まると伝わる。当初は「洞雲庵」と称した。その後、松平家の菩提寺として整備が進み、2代藩主・綱隆の時代に寺格が高められ、浄土宗の寺院として確立された。寺号「月照寺」は、徳川幕府第5代将軍・綱吉の生母・桂昌院から贈られた寺号灯籠に由来するとされる。江戸時代を通じて松江藩松平家歴代藩主の霊廟が整備され、現在も9代にわたる藩主の廟所が境内に並ぶ。廟所の建築や石造物は江戸期大名文化の粋を伝える貴重な遺構である。明治維新後は藩の庇護を失ったが、寺は維持され続けた。小泉八雲(ラフカディオ・ハー…