松江武家屋敷は、1730年(享保15年)頃に建てられたとされる中級武士の屋敷である。松江藩士・塩見家が代々居住し、その家名がこの地域の地名「塩見縄手」の由来となったと伝わる。江戸時代中期に成立したこの屋敷は、松江藩士の典型的な生活様式を反映した造りを持ち、主屋や長屋門、庭園などが当時の姿をよく残している。明治維新後、武家制度の廃止とともに武士階層は消滅したが、建物自体はその後も維持され続けた。近代以降、松江城下町の歴史的景観を伝える貴重な遺構として評価が高まり、島根県指定文化財に指定された。現在は一般公開され、江戸時代の武士の生活を伝える資料館的役割を果たしている。屋敷が面する北堀沿いの塩見縄…