桜井の地は、1336年(建武3年)に起きた「桜井の別れ」によって歴史にその名を刻む。後醍醐天皇の勤王の志士・楠木正成が、足利尊氏と戦うために湊川へ赴く途中、この地で嫡男正行に今生の別れを告げた故事である。八幡神社は、この桜井に鎮座する武神・応神天皇を主祭神とする社であり、武士の守護神として八幡信仰が篤かった楠木一族とも縁が深い。八幡信仰は奈良時代に宇佐神宮を起源とし、源氏の守護神として武士の間に広まって以来、各地に八幡宮・八幡神社が設けられた。桜井の鎮守として地域の人々の崇敬を受けながら、楠木正成の忠義の精神を語り継ぐ場としてもこの社は歩んできた。