飯能御嶽神社は、武蔵国から秩父へ続く山岳地帯の入口、飯能市久須美に鎮座する。創建は1800年(寛政12年)頃と伝わるが、御嶽山信仰そのものは中世以前から武蔵・秩父の山岳地帯に広く根付いており、当地にも早くから信仰の拠点が形成されていたとされる。主祭神は日本武尊で、東征の折に当地を通過したとの伝承が地域に伝わり、武運・勝運の神として篤く崇敬されてきた。近世には山岳修験道の拠点として機能し、奥武蔵の山々を往来する修験者や巡礼者が参拝に訪れた。江戸時代には武蔵国における御嶽信仰の広がりとともに庶民の信仰も集め、地域住民の氏神的な役割も担うようになったと伝わる。明治期の神仏分離令以降は純粋な神社として…