妙安寺は1192年(建久3年)に開山したと伝わる東寺真言宗の寺院で、本尊は不動明王である。この年は源頼朝が鎌倉幕府を開き東国支配を確立した時期にあたり、当寺の創建はその時代背景と深く結びついているとされる。中世においては相模国の寺院として地域信仰の拠点となり、不動明王への厄除け・祈願の場として機能したと考えられる。近世には東海道の整備にともない平塚宿が宿場町として栄え、当寺は道中安全を祈願する旅人が立ち寄る寺として知られるようになった。江戸時代を通じて地域住民と旅人双方の信仰を集め、境内の大楠はその長い歴史を今日に伝える。明治以降の近代化の波を経ながらも寺院としての法灯は絶えることなく継承され…