養老元年(717年)、行基によって高麗山西麓に創建されたと伝わる高麗寺は、千手観音を本尊とした相模国有数の古刹であった。高麗山の地名は渡来系氏族・高麗氏との関わりを示すとされ、当寺もその文化的背景の中で成立したと考えられている。平安・鎌倉期には相模国の仏教文化の一翼を担い、地域の信仰を集めたとされるが、詳細な寺史は中世以降に記録が乏しくなる。その後、何らかの理由により高麗寺は廃絶し、寺跡には八幡神社が建立された。八幡神社は応神天皇を祭神とし、地域住民の氏神として現在に至るまで崇敬を集めている。近代以降、高麗寺跡は郷土史研究の対象として注目され、行基創建の地としての歴史的価値が再評価されるように…