松林寺は、1620年(元和6年)頃に創建されたと伝わる浄土宗の寺院である。江戸幕府の成立により東海道が整備されると、平塚宿はその宿場町として栄え、当寺は旅人たちの信仰の拠り所として機能したとされる。寺名は、かつて境内に松の木が鬱蒼と茂っていたことに由来すると伝わり、往時の面影を残す古木が今も境内に息づく。江戸時代には、阿弥陀如来を本尊とする浄土宗寺院として地域の民衆信仰を集め、平塚宿に宿泊した旅人が翌朝の旅の安全を祈願する慣習があったとも伝えられる。境内に現存する六地蔵は江戸時代に建立されたものとされ、道行く人々を長年にわたり見守り続けてきた。明治維新後の近代においても寺院としての法灯を絶やす…