佛乗寺は大阪市生野区巽東に位置する真宗大谷派の寺院である。真宗大谷派の源流となる浄土真宗は、1224年頃に親鸞聖人が著した「教行信証」を根本聖典として確立した。親鸞の死後、その教えは娘・覚信尼が設けた廟所(のちの本願寺)を中心に発展し、8世の蓮如上人(1415〜1499年)の布教活動によって全国に急速に広まった。蓮如は「御文(おふみ)」と呼ばれる平易な文体の手紙を通じて庶民に法義を伝えた。佛乗寺はこうした浄土真宗の伝道の流れを汲み、生野区の庶民信仰の受け皿として地域に根づいてきた。近代以降も阿弥陀仏への帰依を旨として、檀信徒の冠婚葬祭を支えてきた。