稲荷神社は宇迦之御魂神を主祭神とし、五穀豊穣・商売繁盛・縁起の御利益で知られる。府中市本宿町の「本宿(もとじゅく)」は甲州街道の宿場の本陣(宿場の中心的な宿)を意味し、街道沿いの商業・農業が盛んな地区であった。府中は甲州街道の重要な宿場町(府中宿)であり、本宿はその中心に位置した。農業と商業が交差する本宿の稲荷社は、農業守護と商売繁盛の双方の御利益を求める農民・商人の信仰を集めてきた。大国魂神社(武蔵国一宮)の近くに位置する本宿の稲荷社は、府中の商業文化の中に根付いてきた。現代においても地区の守護神として機能している。