稲敷市伊佐部に鎮座する鹿島神社は、延喜年間(901〜923年)頃に鹿島神宮から武甕槌大神を勧請して創建されたと伝わる。平安時代末から中世にかけて、鹿島信仰は利根川流域の水郷地帯へと広く波及し、各地に分社が設けられたが、当社もその一社として地域の武士や農民から崇敬を集めたとされる。近世には江戸幕府による利根川東遷事業(17世紀前半)により周辺の水利環境が大きく変化したが、当社は自然堤防上という立地を活かし、集落の鎮守として水害除けの神としての信仰を維持した。農耕神としての性格も強く、春の御田植祭をはじめとする農耕儀礼が代々伝承されてきた。明治時代の神仏分離令以降は神社として体制を整え、地域の氏神…