善龍寺は、正応3年(1290年)に日蓮聖人の弟子が東国布教の途上に開創したと伝わる日蓮宗の寺院である。日蓮没後の東国伝道の一環として、利根川下流域に法華信仰を根付かせる拠点として草創されたとされる。中世を通じて地域の法華信仰の道場として機能し、題目講を中心とした信仰共同体が形成されていったと考えられる。近世に入ると江戸幕府の寺院政策のもとで寺院としての体制が整えられ、本堂や祖師堂などの伽藍が整備されたとみられる。江戸時代には涅槃図が奉納されており、現在も仏教美術の貴重な資料として本堂に伝来している。明治期の神仏分離・廃仏毀釈の動乱を経てもなお法灯を継承し、近代以降は地域の日蓮宗信仰の中心として…