引接寺は大阪市住吉区我孫子に位置する真宗大谷派の寺院である。「引接」とは阿弥陀仏が衆生を浄土へ引き導くことを意味し、浄土系仏教寺院にふさわしい寺名といえる。真宗大谷派は親鸞聖人の孫・如信(1237〜1300年)の系譜を経て、本願寺が東西に分かれた慶長の東西分派(1602年)以降に東本願寺(大谷廟堂)を本山とする一派として確立した。江戸幕府は東西本願寺を幕府体制の安定化に利用しつつも、その勢力を統制する方針を取った。大阪近辺では東西両派の門徒が混在して分布しており、我孫子地区でも真宗大谷派の寺院が地域の菩提寺として根付いている。引接寺は近世以降、東本願寺の末寺として葬送・法事・月参りなどを通じ、…