印山寺は大阪市阿倍野区に位置する曹洞宗の禅寺である。曹洞宗は鎌倉時代に道元禅師(1200〜1253年)が宋に渡り、天童山の如浄禅師から正伝の仏法を受けて帰国したことに始まる。道元は1243年に越前国(現・福井県)に永平寺を開創し、「只管打坐」を根本とする坐禅修行の場を築いた。後に瑩山紹瑾(1268〜1325年)が曹洞宗を庶民にも広め、能登の総持寺を永平寺と並ぶ大本山として整備した。印山寺は曹洞宗の末寺として阿倍野の地に建立され、坐禅と法要を通じて禅の精神を地域に伝えてきた。「印山」の寺号は禅における「心印を山のごとく揺るぎなく守る」という精神を示すと解される。近代以降も地域の菩提寺として機能し…