岩殿城は、室町時代中期の応永年間(1394〜1428年)頃に築かれたと伝わる山城で、岩殿山(標高634m)の険峻な岩盤上に位置する。戦国時代には甲斐国の有力国衆・小山田氏の居城となり、武田氏との主従関係のもとで整備・強化されたとされる。天正10年(1582年)、織田信長による甲斐侵攻(甲州征伐)に際し、武田勝頼は岩殿城への退避を図ったが、城主・小山田信茂に入城を拒絶・裏切られ、天目山にて自刃するに至った。この出来事は戦国史上の著名な逸話として広く知られる。武田氏滅亡後は徳川氏の支配下に置かれ、江戸時代を通じて城としての機能は失われていった。明治以降は廃城となり、現在は大月市指定史跡として保護さ…