大同2年(807年)、弘法大師空海によって開創されたと伝わる天台宗の古刹。岩舟山(標高172m)の山頂付近に位置し、千手観世音菩薩を本尊として祀る。創建当初より観音信仰の霊地として知られ、中世には坂東三十三観音霊場の第17番札所に列せられ、広く関東各地から巡礼者を集めるようになった。戦国期には戦乱の影響を受けたとされるが、近世に入ると徳川幕府の庇護のもとで寺勢が維持され、引き続き巡礼の聖地として栄えた。江戸時代には坂東巡礼が庶民の間に広く普及したことから、参拝者はさらに増加したとされる。明治期の神仏分離令・廃仏毀釈の波を経ながらも堂宇は護持され、現代に至るまで観音霊場としての法灯を守り続けてい…