深草(ふかくさ)は現在の京都市伏見区北部に位置する地区で、平安時代には「深草野(ふかくさの)」として貴族の鷹狩り・別荘地として知られた。百人一首の「やまとうたはひとのこころをたねとして、よろづのことのはとぞなれりける(仮名序冒頭)」で名高い小野小町(おののこまち・9世紀)と、百人一首第9番の歌「花の色はうつりにけりないたづらに わが身世にふるながめせしまに(小野小町)」、そして彼女に求愛して失恋した「深草の少将(ふかくさのしょうしょう)」の伝説が深草と深く結びつく。深草の少将は百夜通い(ももよがよい)という伝説──小町に百日間毎晩通うことを誓わされ、99日目に雪の中で凍死した──の主人公として…