常願寺が立つ小石川五丁目は、江戸幕府が設けた小石川養生所(1722年設置、現東京大学附属病院小石川地区)に近く、薬草を栽培した小石川植物園の源流となった薬草園もほど近い場所にある。「常に願う」という寺号は、阿弥陀如来が衆生の救済を永遠に願い続けるという浄土真宗の核心的な信仰を表している。小石川は医療・福祉と信仰が隣り合わせに存在した特異な地であり、病人・貧民を救う養生所の理念と、苦悩する衆生すべてを救おうとする阿弥陀の本願は共鳴するものがあった。真宗大谷派の寺院として、常願寺は近隣の武家・町人の菩提所として機能し、寺請制度のもとで地域の戸籍を担った。近代以降も法要・葬儀・終活支援の場として小石…