鹿嶋薬師堂は、延暦年間(800年頃)に創建されたと伝わる。鹿島神宮の神宮寺として機能していたとされ、神仏習合の信仰形態のもとで薬師如来への崇敬が育まれた。中世には鹿島地域における病気平癒の祈願所として庶民の信仰を集め、薬師十二神将像が安置されて十二の方角からの厄災を防ぐ霊場として知られるようになったと伝わる。近世には鹿島神宮の神宮寺体制のもとで維持され、境内における神仏習合の場として機能し続けたとされる。1868年(明治元年)の神仏分離令により神宮寺は廃絶を余儀なくされたが、薬師堂は地域住民の尽力によって存続が図られ、独立した仏教礼拝施設として維持されてきた。現在も宮中の地に立ち、鹿島における…