神奈川県川崎市宮前区野川本町に位置する天台宗の古刹で、奈良時代に創建されたと伝わる川崎市最古級の寺院のひとつ。
本尊の薬師如来像は国の重要文化財に指定されており、白鳳期(7世紀後半〜8世紀初頭)の作と推定される極めて貴重な仏像である。
「影向(ようごう)」とは仏・菩薩が人々を救済するために仮の姿で現れることを意味し、薬師如来が人々の苦しみに寄り添うためにこの地に顕現したという伝説を持つ。
境内からは奈良時代の瓦・土器が多数出土しており、古代武蔵国において重要な仏教寺院であったことを物語っている。
平安時代には天台宗の学問寺として隆盛し、多くの僧侶が仏教学を修めるために訪れた。
鎌倉時代には関東の仏教文化の拠点のひとつとして、幕府の武士たちにも崇敬された。
現在の本堂は江戸時代の再建で、古式を継承した威厳ある建築が往時の格式を今に伝えている。
境内は鬱蒼とした森に囲まれ、四季折々の風情が美し…