慶珊寺は寛永元年(1624年)に創建されたと伝わる真言宗御室派の寺院で、神奈川県横浜市金沢区富岡に位置する。寺が所蔵する本尊の十一面観音菩薩像は鎌倉時代の作とされ、半跏像の形式をとる優れた仏像彫刻として学術的評価が高く、神奈川県指定重要文化財に指定されている。この像は創建以前から当地に伝わっていた可能性も指摘されており、地域における観音信仰の長い歴史を物語る。江戸時代を通じて富岡周辺の民衆に病気平癒・縁結び・子授けの観音霊場として親しまれ、地域住民の篤い信仰を集めてきた。近代以降も寺としての法灯を守り続け、現在は富岡の歴史と文化を伝える寺院として多くの参拝者を迎えている。