九品寺は、奈良時代の高僧・行基によって創建されたと伝わる浄土宗の寺院で、本尊は阿弥陀如来を祀る。創建の正確な年代は不明であるが、行基が各地に建立した諸寺のひとつとして古くから信仰を集めてきたとされる。中世・南北朝時代(14世紀)には、楠木正成が後醍醐天皇方の武将として活躍した時代背景のもと、正成の呼びかけに応じて出陣した葛城・御所周辺の地元武士や民衆が、戦地へ赴く際に自らの身代わりとして石仏を奉納したと伝わる。これが境内および裏山の斜面に今日まで残る「千体石仏」の起源とされ、現在は1600体を超える石仏が苔むした山肌に連なる。近世以降も浄土宗の寺院として法灯を継ぎ、地域の人々の信仰を集め続けた…