熊野信仰は和歌山県の熊野三山(熊野本宮大社・熊野速玉大社・熊野那智大社)を総本社とし、伊弉諾尊・伊弉冉尊ほかの神々を祀る全国的な信仰である。「蘇りの聖地」として知られる熊野の神は、死と再生・縁結び・家内安全・病気平癒の守護神として平安時代から武士・庶民を問わず広く信仰されてきた。蒲田の熊野神社は、その信仰が関東に広まる中で創建された社で、西蒲田地区の氏神として根付いてきた。蒲田は近代に入って工業・商業が発展した地域で、多くの工場や商店が立地したことから産業人口が集中した。熊野神社は商工業者の守護神としても崇敬され、地域の経済活動とともに発展してきた。現在も地域の氏子が神事を守り、熊野大神への信…