杭全神社は大阪市平野区平野宮町に鎮座する古社で、全国でも珍しい三殿並立の本殿形式を誇る。創建は貞観4年(862年)と伝わり、坂上田村麻呂の後裔である坂上当道が社地を奉納したと伝承される。祭神は素戔嗚尊・速素戔嗚命・木花開耶姫命ほかで、もとは牛頭天王社とも称された。平野の地は古代・中世を通じて「平野郷」と呼ばれる自治的共同体が栄え、戦国時代には松永久秀や三好長慶らとも縁を持った。境内に残る連歌所は室町時代の連歌師・宗祇が訪れたことでも知られる。また、日本三大だんじり祭の一つとされる平野の地車祭でも知られ、現在も大坂文化の重要な拠点として崇敬される。