蔵守院は菅生集落に建つ曹洞宗の寺院で、「蔵守」の院号は大切なものを蔵に守り伝えるという意味を持ち、正法と先祖の記憶を守り続ける寺院の本質的な役割を示している。菅生地区には宝蔵寺と蔵守院という二つの曹洞宗寺院が並立しており、かつてこの地域に曹洞宗の宗教圏が形成されていたことを物語っている。曹洞宗は中世以降、農村部を中心に各地に普及した宗派であり、修行の場としての役割と農村社会の檀那寺としての機能を兼ね備えていた。蔵守院は菅生の農家の葬儀・法要を曹洞宗の作法で執り行い、農村共同体の精神的な絆を維持する役割を果たしてきた。