教興寺は大阪府八尾市教興寺に位置する真言律宗の寺院で、聖徳太子(574〜622年)の開基と伝わる古刹である。地名「教興寺」がこの古寺に由来することからも、周辺一帯における寺院の歴史的重要性が窺える。真言律宗は鎌倉時代の高僧・叡尊(1201〜1290年)が奈良の西大寺を拠点として興した宗派で、戒律の厳守と真言密教の修行を両立させる点に特色がある。叡尊の弟子・忍性(1217〜1303年)は社会福祉事業にも尽力し、律宗の影響は河内国にも及んだ。教興寺は中世以降も法灯を守り、戦国時代の兵火を経ながらも再興を重ねて現在に至る。奈良・西大寺を総本山と仰ぐ末寺として、今日も密教の法要を執り行っている。