横浜市緑区三保町に位置する高野山真言宗の寺院で、山号は久保山。中世の山城「榎下城(えのしたじょう)」の跡地に建ち、寺名の「舊城寺(旧城寺)」もこの故地に由来する。榎下城は永享年間(1429〜1441年)に扇谷上杉氏の家臣・上杉憲清(うえすぎのりきよ)が築いたと伝わる。慶長8年(1603年)頃、佐藤小左衛門(さとうこざえもん)がこの地を隠居所として寺を開いたとされる。本尊は大日如来坐像だが、境内の薬師堂に安置される「無眼薬師(むがんやくし)」——瞳を刻まない薬師如来像——が「目のお薬師さま」として広く信仰を集め、眼病平癒を願う参拝者が絶えない。武相寅歳薬師如来霊場(ぶそうとらどしやくしにょらいれいじょう)の第1番札所でもある。境内と周辺の樹林は「舊城寺の寺林」として1980年に神奈川県の天然記念物に指定された。
舊城寺の建つ丘は、中世に扇谷上杉氏の家臣・上杉憲清が永享年間(1429〜1441年)に築いたと伝わる山城「榎下城」の跡地である。江戸時代後期の地誌『新編武蔵風土記稿』(1830年編纂)には、当時すでに開山(かいさん)の由来が不詳とされるほど古い歴史を持つ寺院として記されている。寺伝では慶長8年(1603年)頃、この地を隠居所とした佐藤小左衛門によって開かれたとされ、廃城となった榎下城の跡地に寺院として再生したことになる。本尊は大日如来坐像。境内の薬師堂に安置される「無眼薬師」は、瞳を刻まずに彫られた薬師如来像で、あえて「見えない目」に祈ることで眼病平癒の験があるとされ、古くから「目のお薬師さま…