松井寺は大阪市平野区平野本町に位置する融通念佛宗の寺院である。融通念佛宗は良忍上人(1072〜1132年)が大治元年(1126年)に平野の大念仏寺において開いた大阪発祥の仏教宗派であり、「一人の念仏が融通されて万人の念仏となる」という独自の法義を説く。大念仏寺は現在も平野に総本山を置いており、松井寺はその法縁に連なる末寺として同地域に創建された。平野はこの宗派の発祥地であるため、融通念佛宗の寺院が特に多く集まる地域でもある。「松井」の寺名は創建に関わった氏族または地名に由来すると考えられており、地域の歴史を今に伝えている。江戸時代には六斎念仏の習慣とも結びつきながら地域信仰を支えてきた。