富浦八幡神社の創建は建仁年間(1201〜1204年)頃と伝わり、鎌倉時代初期に武家の氏神として祀られたとされる。主祭神は応神天皇であり、八幡信仰の広まりとともに安房国沿岸部の総鎮守として定着したと考えられる。中世には安房国を支配した里見氏の崇敬を受け、武運長久の祈願所として重視されたと伝わる。里見氏は房総各地の神社を保護しており、当社もその庇護のもとで社格を高めたとされる。近世に入ると富浦は漁業・廻船業で栄え、海上安全を祈る漁師・船乗りたちの篤い信仰を集めた。江戸期には地域の氏神として祭礼が整備され、秋の例大祭における神輿渡御が定着したと伝わる。明治の近代化以降も地域の総鎮守として変わらぬ崇敬…