養老元年(717年)、奈良時代の高僧行基によって開基されたと伝わる、1300年以上の歴史を誇る古刹である。行基は各地を巡錫して民衆救済に努めた人物として知られ、当寺もその布教活動の一環として創建されたとされる。断崖に刻まれた十一面観世音菩薩の磨崖仏は開基当初から信仰の中心であったと伝えられる。中世には安房国における真言宗の拠点として機能し、地域の仏教文化を支えた。近世に入ると、真言宗智山派の寺院として法灯を受け継ぎ、船形地域の人々の篤い信仰を集めた。断崖に懸造り(かけづくり)の構造で建立された観音堂は、関東大震災(1923年)をはじめとする幾多の災害を経てもなお、その姿を保ってきた。現在も真言…