最教寺は大同2年(807年)、弘法大師・空海が唐からの帰途に平戸島へ立ち寄り、開基したと伝わる真言宗の古刹である。以来、九州における真言密教の霊場として崇敬を集めてきた。中世には平戸を支配した松浦氏の庇護を受け、地域の精神的拠点として機能したとされる。近世に入ると、平戸は南蛮貿易の拠点としてポルトガル・オランダとの交易が盛んとなり、キリスト教文化が急速に浸透した。こうした時代にあっても最教寺は仏教側の精神的拠点として存続し、島の宗教的多様性を象徴する存在となった。近代以降は寺域の整備が進み、現代には三重塔が再建されるとともに多数の地蔵像が境内に奉納され、独特の宗教的景観が形成された。現在は九州…