谷津八坂神社は、平安時代末期の1100年頃に創建されたと伝わる。祭神は素盞嗚尊であり、京都・祇園社(現八坂神社)を淵源とする祇園信仰に基づく社として、谷津の地に勧請されたとされる。中世から近世にかけて、谷津は東京湾奥に広がる干潟を生業の場とする漁村であり、当社は漁民の海上安全や疫病退散を祈願する地域の鎮守として篤い信仰を集めてきた。江戸時代には祇園祭が定着し、伝統的な囃子を伴う夏祭りとして地域に根付いた。明治時代の神社制度改革においても当社は存続し、谷津地区の氏神社としての地位を保ち続けた。近代以降、臨海部の埋め立てが進む中でも、当社周辺の谷津干潟は自然環境が維持され、1993年にラムサール条…