那谷寺は養老元年(717年)に泰澄大師が白山開山に際して当地の岩窟に千手観音を安置したのが起源と伝わる。寛和2年(986年)、花山法皇が行幸し那智(紀伊)と谷汲(美濃)の名から「那谷寺」と命名したとされる。中世には加賀の豪族・長谷部信連が整備し、戦国時代に一向一揆の兵火で多くの堂宇が焼失した。慶長年間(1596〜1615年)以降、前田利常が那谷寺の再建を支援し、元和・寛永年間にかけて現存する本殿・唐門・拝殿・書院・鐘楼・護摩堂が造営された。これらは現在国の重要文化財に指定されている。境内の奇岩遊仙境は国の名勝に指定される景勝地で、元禄2年(1689年)に松尾芭蕉が奥の細道の旅で訪れ「石山の石よ…