西向寺は真宗大谷派(東本願寺系)に属する寺院で、堺市北区長曽根町に位置する。長曽根町一帯は古来農村地帯として栄え、中世には浄土真宗の「講」(信者の集まり)が地域コミュニティの核を担っていた。蓮如上人(1415〜1499年)が15〜16世紀に大坂・堺周辺の農村で精力的な布教を行い、真宗の教えが住民に深く浸透した。1603年(慶長8年)に本願寺が東西に分立した後、当寺は東本願寺(大谷派)に属する末寺として整備された。江戸時代の寺請制度のもとで住民の宗門人別帳を管理し、葬送・法要を担う菩提寺として地域に定着してきた。「西向」の寺号は阿弥陀仏の浄土である西方浄土に向かう信仰姿勢を表すと伝わる。