天寧寺は応安7年(1374年)、鎌倉公方・足利氏満の帰依を受けた峻翁令山禅師によって開山された曹洞宗の寺院である。多摩川上流域の根ヶ布の地に創建され、中世を通じて多摩地域における禅宗文化の重要な拠点として栄えたとされる。境内に残る室町時代の石塔群や五輪塔は、中世武蔵国西部における武家・庶民の信仰の厚さを今に伝えている。戦国期には兵火等による荒廃があったとも伝わるが、詳細は明らかでない。江戸時代には徳川幕府の安定した社会のもとで寺院の復興・整備が進み、現在の本堂はこの時期に再建されたものとされる。近代以降も地域の菩提寺・禅道場としての役割を担い続け、境内の梅林は青梅の地名にちなむ風物詩として親し…