西海寺は大阪市中央区上本町西に位置する黄檗宗の寺院である。黄檗宗は1654年(承応3年)、中国福建省の僧・隠元隆琦が徳川家綱の招きで来日し、1661年(寛文元年)に京都宇治に万福寺を開創したことに始まる。江戸時代初期、大坂は全国有数の商業都市として繁栄しており、黄檗宗の禅風は町人文化の中に根を下ろした。当寺は万福寺を大本山と仰ぎ、中国明朝様式の伽藍配置や梵唄など、日本の他の禅宗とは一線を画す独自の法式を守り伝えてきた。近世以降も上本町周辺の地域住民の信仰を集め、法要や禅の修行道場として機能し続けている。