西来院は静岡県浜松市に所在する臨済宗の古刹で、正確な創建年は不明であるが、中世に開かれた寺院と伝わる。戦国時代、徳川家康が浜松城を居城とした時期(元亀元年・1570年以降)に、当地は遠江支配の中心地として重要な役割を担った。天正7年(1579年)、家康の正室・築山殿(今川義元の姪)が武田氏との内通を疑われ、家康の命を受けた家臣によって殺害されるという「築山殿事件」が起きた。西来院にはその後、築山殿の供養塔が建立され、菩提を弔う場として機能してきたとされる。江戸時代を通じて寺院は維持され、築山殿ゆかりの地として広く知られるようになった。近代以降も寺院は存続し、築山殿の霊を慰める参拝者が絶えず訪れ…