妙顕寺は1310年(延慶3年)、日蓮上人の弟子によって下総布教の拠点として開山されたと伝わる日蓮宗の寺院である。佐倉周辺は鎌倉時代より千葉氏の勢力圏に属し、日蓮宗の教えが早くから受容された土壌があったとされる。中世には千葉氏ゆかりの地域との関係を背景に、地域の信仰を集めた。近世に入り佐倉藩が成立すると、寺院は城下町の町人地に位置したことで商人・職人層の篤い帰依を受け、江戸時代を通じて伽藍の整備が進められた。境内に残る題目碑群は、同時代に結成された講中による奉納であり、庶民層における法華信仰の広がりを如実に示す。明治維新後の近代においても宗門の寺院として法灯を守り続け、宗門史に関わる資料類を蓄積…