正福寺は大阪市城東区蒲生に位置する浄土真宗本願寺派(西本願寺系)の寺院である。「正福」の名は「正しい道によって幸福を得る」という意味合いを持ち、阿弥陀仏の本願への帰依を説く浄土真宗の精神を体現している。浄土真宗本願寺派は戦国時代に石山本願寺として織田信長と10年にわたる籠城戦を展開し(石山合戦、1570〜1580年)、顕如上人が講和に応じた後、本山を摂津から京都・堀川に移した歴史を持つ。城東区蒲生地域はこうした本願寺の影響圏にあり、近世を通じて門徒集落が形成された。正福寺はその一拠点として地域に根付き、代々の住職が門徒とともに報恩講・彼岸会を継続し、地域の檀家の菩提を弔ってきた。