瑞円寺は天正18年(1590年)、豊臣秀吉による小田原征伐が行われた年に曹洞宗の寺院として創建されたと伝わる。本尊は十一面観世音菩薩であり、開創以来、現在の渋谷区神宮前一帯に広がっていた原宿村の菩提寺として地域住民の信仰を集めてきたとされる。江戸時代中期の享保年間(1716〜1736年)には境内に石仏群が奉納され、現在もその一部が残存しており、近世における当地の宗教的営みを伝える貴重な遺構となっている。明治時代に入ると、明治神宮の造営(1920年)や表参道の整備が進む中、寺院は周囲の急激な都市化を経ながらも法灯を守り続けた。戦後の高度経済成長期以降、原宿・神宮前一帯はファッションや商業の集積地…