善福寺池のほとりに鎮座する市杵島神社は、水の神・市杵島姫命を祀る社である。善福寺池は武蔵野台地の湧水を源とする都内有数の自然池で、古来より水神信仰の聖地として崇められてきた。市杵島姫命は七福神の弁財天と同一視され、水辺の神・音楽芸能の神として広く信仰を集める。善福寺川の水源ともなるこの池の周辺には、江戸時代から水を使った農業が栄え、社は農耕と漁撈双方の守護神として地域に根付いた。明治以降の近代化の波を経ながらも、善福寺公園の整備とともに池と社は保全され、現在は都心のオアシスとして四季折々の自然と水神への祈りが共存する場となっている。